VOC調査を成功させるための4つのヒント

VOC調査を成功させるための4つのヒント

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Shoshana Burgett氏はそのキャリアの大半をフォーチュン500企業のVOC(顧客の声)プログラムの作成とアドバイスに費やしてきました。インサイトを上手く収集し、組織全体で有効に活用するためのヒントをご紹介します。 


Tip1 ブラインドインタビューでバイアスを避ける 

顧客、業界の有識者、市場のリーダーなど対象が誰であれ、インタビュイーが誰とコミュニケーションしているのか(誰に質問をされているのか)が分からないように、ブラインドインタビュー(企業/所属名を伏せたインタビュー)を実施することで、VOC調査におけるバイアスを最小限に抑えることができます。ブラインドインタビューでは、顧客や有識者などのインタビュイー(回答者)が、無意識のうちに特定の企業/プロバイダーに話を合わせる可能性が低くなるため、より価値の高いインサイトが得られるようになるためです。 

 また、ブラインドインタビューを実施する際には、決してどの企業名も明かさないようにすることが重要です。例えば、自身がA社を最大の競合だと思い込んでいる場合でも、「医薬品グレードの機器における最大の競合はどこですか?」という広範な質問をすることで、この分野への新規参入企業や、隣接市場のプレイヤーを知ることができる可能性があります。私の会社でも、最大の競合だとだと考えていた企業が、実際に顧客から聞いた内容と一致していないことが何度もありました。

Tip2 顧客の行動に異議を唱えず、共感する 

 VOC調査は、バイアスのかかっていない質問を行い、顧客の声に耳を傾けるものであって、自身や所属企業の主張を証明するものではありません。この種の定性調査を実施する場合、インタビュー時間の80%はインタビュイー(回答者)が話している時間である必要があります。 

 「製品Xはお好きですか?」「機能Yはどのぐらい必要ですか?」というような質問は、誘導尋問となるため行ってはいけません。代わりに、「機能Yをどれくらいの頻度で使用しすか?」など、質問の幅を広げてください。そして、機能Yが役に立つ可能性のある最近の事例を訪ねるなど、検証のための質問でフォローアップします。 

Tip3 具体性が必要な場合は、対面調査を実施する 

顧客は「必要としているもの」を明確にあなたに伝えるかもしれませんが、顧客を観察することで得られる情報は、あなたの提供する製品を差別化するのに役立つ潜在的なアンメットニーズを特定することを可能にします。 

顧客が製品をどのように使用するのかをよく観察します。インサイトは、顧客が製品を使って何をするかを観察することから得られます。研究開発部門は、顧客が自社の製品をどのように使用するか想定していると思いますが、実際はまったく異なる使い方をしていることが判明することもあります。また、ある顧客が、直感的に理解できない手順を忘れないために、机のあちこちに付箋を貼っているのを見つけるかもしれません。

Tip4 VOCを企業文化の一部にするように努める 

 顧客の声に耳を傾け、市場を観察することは、一個人の役割や責任ではありません。これは、トップダウンによる全員の責任です。多くの企業にとって、VOCの観点から考えることは企業文化の変革を意味します。VOCが企業文化に組み込まれると、それは一過性のエクササイズから、従業員が常に考えて実践する、継続的な活動へと移行します。 

  チームメイトにとって自身が担当する製品ではない場合も、彼らにVOCへの参加を促します。異なるチームでも、お互いの顧客のニーズから学ぶことができます。彼らは異なる製品に携わり、異なる視点を持っているため、新しい視点や見解をもたらすことができます。あるいは、同様の問題や、その問題解決にどのように取り組んだかについて、インサイトを提供できる人がいるかもしれません。多様性は創造性を育みます。自身のチームの枠組みにとらわれずに考えましょう。 


Shoshana氏について

Shoshana Burgett 氏は、カラーマネジメント、オンデマンド印刷、製造、パーソナライゼーションにおいて20年以上の経験を持つソートリーダーかつ、業界コンサルタントで Shoshana 氏は、パーソナライズされた生産とオムニチャネルコミュニケーションの第一線で活躍してきました。X-Rite社、Pantone社、Xerox社でシニアエグゼクティブとして、 VOC (顧客の声)を製品、価格、マーケティング、販売、イノベーション戦略に組み込む役割を担ってきました。 Pink Elephant 社では、クリエイティブ、デザイン思考、開発、リーン生産、マーケティングを統合し、企業の製品立ち上げの効率化とイノベーションを支援しています。製造業に数十年携わった後、 Shoshana 氏はクリエイティブに再び目を向け、製造に特化したクリエイティブのハブであるcolorkarmaを立ち上げました。彼女は業界イベントで定期的に講演しており、HOW、WhichPLM、Quality Digest、Beauty Packaging、Packaging Digest、Printing Impressions、What they thinkなどで紹介されています 


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